pages

4/18/2011

下半分は地球で、上半分は宇宙。

The Mountain from Terje Sorgjerd on Vimeo.



世界は本当にあるがままで美しい。


停電や節電で明るさのトーンを少し下げた、少し見慣れない夜のトウキョウ。
それでも、街はまだこんなにも明るい。



今から10年も前。
サンディエゴでの暮らしがはじまってしばらくのこと。

サンディエゴの街から郊外に向けて高速を走ってる途中に見る、見慣れない景色、
目の前の上半分にぱっくりと広がる夜空。
それが無性に怖い時期があった。


国土の広いアメリカ。

都会とは言え、郊外に向けて少し車を走らせれば、高層ビルなんてすぐに目の前からは消えて、
目の前の上半分に広がる夜空がずうっと続く。

新月の夜なんて、まるで上半分が宇宙に露出しちゃってるみたいに感じられて

その無限に、体の奥底から沸き上がってくる恐怖を感じていた。


新月の夜を郊外へ向けて、ひとり車を走らせる夜は、
その無限の恐怖、孤独感、無力感に襲われて、
気づけば泣きながら加速していることもあった。


それが何回も何回も繰り返されるうちに、
いったいいつ頃からそれが当たり前になって
そんなことを感じていたことすらも思い出さなくなったのか、もうわからない。



アメリカのだだっ広い国土の中に広がる、ケタ違いにスケールの違う自然と、
そこに暮らす人々が織り成す光景には、
その後6年のアメリカ生活の中で何度も何度も、似たようなショックを受けた。

グランドキャニオン、モニュメントバレーや、デスバレー。
カリフォルニアの果てしなく続く険しい海岸線。
それらをつなぐ、荒涼とした大地に延々と続く一本の道。



目の前の下半分は地球で、上半分は宇宙。


大きな大きな宇宙や自然に圧倒される、恐怖と、ある種の心地良さ。

0 件のコメント:

コメントを投稿